ユーザインタビュー
国際基督教大学の名ガイド — 図書館の音声放送システム
既製品では対応できない複雑なタイムテーブルに対応
学生の利便性を考えた開館スケジュールを支えるシステム
東京・三鷹市に広大なキャンパスを持つ国際基督教大学は、「神と人に奉仕する」をテーマに「平和」や「日英バイリンガリズム」に重きをおき、世界に羽ばたく人材を育成しています。1953年に開学し、国内外から3,000人を超える学生が集っています。大学図書館には、豊富な蔵書や資料が収められており、日頃から学生たちの学習を強力にサポートしています。この図書館は、一般の公共施設と異なり、夏季・冬季の休暇や試験といった大学のスケジュールに沿って運営されており、さまざまなアナウンスを定時に館内放送するために FileMaker Pro を使用しています。そこで、この館内放送システムの開発の経緯について、国際基督教大学 図書館 主査の黒澤公人氏にお話をうかがいました。

「この図書館では、 FileMaker Pro を使った放送システムで、『今日の◯◯サービスは◯◯時に終わります』『今日は◯◯時に閉館します』など、さまざまなアナウンスを定時に放送しています。朝8時30分から夜10時30分と開館時間が非常に長いため、夕方のカウンターサービスの終了や夜間に利用できるフロアの変更など時間とともに変化していくサービスについて、定刻になると、音楽と一緒にアナウンスを流し、利用者の注意をうながしています。また、大学のスケジュールにあわせて、学期期間、試験期間、授業のない学期外期間や夏期開館、土曜日など、複数の開館・閉館のパターンがあります。」
もともと国際基督教大学の図書館では、それらのアナウンスをタイマーと組み合わせて、テープレコーダを使って放送していました。大学スケジュールにあわせて開館スケジュールが変更されるため、それに合わせたアナウンス内容を録音したカセットテープを用意し、所定の時間に再生するようにタイマーを設定する必要がありました。2000年に新しい図書館が建築され、図書の閲覧を目的にした棟とPCを扱えるスペースを備えた棟の2棟編成となりました。その際に、各棟ごとに開館スケジュールが異なることから、新館には、ICカードに音声を記録するタイマー制御の放送機器が導入されました。その機器は、タイマー制御をパンチカードにマークを塗って設定するのですが、複雑なスケジュール管理に対応できないという問題があったといいます。
そこで、パソコンで運用する方法がないかと担当者と相談して、MacのHyperCardでシステム開発がおこなわれました。HyperCardのシステムは単純明快で非常に安定性の高いシステムでしたが、HyperCard自体の開発が終了してしまったこともあり、新しいシステムの開発を検討することになったそうです。さまざまな調査をしても、必要とするシステムがどこにも見つからないため、特別に専用システムを開発してもらう以外にないと考え、黒澤氏が参加していた FileMaker ユーザが集うメーリングリストで相談したところ、有限会社エム・パークの菊池信之氏が手をあげ、システム開発を担当することになったといいます。
「この大学でも FileMaker は、さまざまな部署で非常に便利に使っています。図書館でも使っているのですが、何か問題があると相談できる場として、 FileMaker のメーリングリストに参加していました。専用システムの開発以外方法がないということで予算も計上していたのですが『もしかしたらHyperCardでできることは FileMaker でもできるのでは?』と思ってメーリングリストに相談したのです。幸いにも、うまくいきそうだということでしたので、菊池氏には、それまで使っていたHyperCardのシステムを見ていただいて、これと同じようなものを作成してほしいとお願いしました。このようにしてでき上がったのが、現在のシステムなのです。この大学でも、FileMaker をライセンス契約しており、いろんな場面で利用しているのですが、音声利用しているのはこのシステムだけですね」(黒澤氏)
次ページではその詳細についてご紹介します。


